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「がっかり発言」を素直に考える

■意見が真っ二つに分かれている「がっかり発言」

 競泳選手である池江璃花子氏が白血病であることを公表したことで、桜田義孝五輪相が「本当にがっかりしている」と語ったことが大きな問題になっており、識者の間でも意見が分かれている。

 百田尚樹氏「(桜田氏の)その発想が情けない!

 堀江貴文氏「マジでマスコミくそ

 あの百田尚樹氏が今回の発言を批判する側に回っていることは驚きだが、少し興味が湧いたので、桜田氏の発言の全文をネットで検索して読んでみた。(以下が全文)

>「正直なところ、びっくりしましたね。聞いて。本当に。病気のことなので、早く治療に専念していただいて、一日も早く元気な姿に戻ってもらいたいというのが、私の率直な気持ちですね」

 -競泳の中ではですね…

>「本当に、そう、金メダル候補ですからねえ。日本が本当に期待している選手ですからねえ。本当にがっかりしております。やはり、早く治療に専念していただいて、頑張っていただきたい。また元気な姿を見たいですよ。そうですね」

 -大臣はこれまで、池江選手の活躍をどのようにご覧になられてましたか

>「いやあ、日本が誇るべきスポーツの選手だと思いますよね。われわれがほんとに誇りとするものなので。最近水泳が非常に盛り上がっているときでもありますし、オリンピック担当大臣としては、オリンピックで水泳の部分をね、非常に期待している部分があるんですよね。一人リードする選手がいると、みんなその人につられてね、全体が盛り上がりますからね。そういった盛り上がりがね、若干下火にならないかなと思って、ちょっと心配していますよね。ですから、われわれも一生懸命頑張って、いろんな環境整備をやりますけど。とにかく治療に専念して、元気な姿を見せていただいて、また、スポーツ界の花形として、頑張っていただきたいというのが私の考えですね」

 -最後に一言だけ。池江選手にエールを送るとしたらどんな言葉を

>「とにかく治療を最優先にして、元気な姿を見たい。また、頑張っている姿をわれわれは期待してます、ということです」
【引用元】産経ニュース

■「インタビュー事故」としての「がっかり発言」

 実際に全文を読んでみると、確かに誤解を招いても仕方がない発言ではあるとは思えた。しかし同時に、これは「失言」と言うよりも「インタビュー事故」に近いのではないかとも思えた。
 図らずも、「-競泳の中ではですね…」という質問が、失言を招く煽り言葉になってしまっている。

 おそらく、桜田氏の「元気な姿に戻ってもらいたい」という言葉に対する受け言葉であり、失言を期待した意図的な誘導質問ではないだろうけれど、こう質問されると、オリンピックの話になってしまわざるを得ないので、この質問自体にも問題があったのではないかと思える。

 はたして堀江氏の「マジでマスコミくそ」というのが、そういう意味(意図的な誘導質問)で言っているのか、それとも単に毎度の「言葉の切り取り報道」を指しているのかは判らないが、偶発的な「放送事故」ならぬ「インタビュー事故」というのが今回の問題の本質ではないかと思う。

■池江璃花子氏は「失言問題」など気にしていない

 「がっかり」という言葉を「残念」という言葉にすれば、公的な意見として受け止められる可能性が高いが、「がっかり」というのは、公的と言うよりも、私的な意見として受け止められかねないので、あらぬ誤解を招いてしまう。

 当人(桜田氏)には悪気は毛頭なかったのだろうけれど、一言で言えば、池江璃花子氏を「1人の女性」として見た意見ではなく、「水泳の選手」と限定して意見したことが問題だったということになるだろうか。

 そういうことだから、誤解を招いたことを謝罪すれば済む問題だと思う。この失言で「政治家失格」とか、「辞任せよ」というのは行き過ぎだと思う。そもそも、「全く失言しないこと」が政治家の絶対条件になっているような社会はおかしいわけで、そんな社会が常態化してしまえば、いつまで経っても言葉狩り社会から脱皮することができない。
 当の池江璃花子氏が「ショックを受けた」と批判しているのであれば話は別だが、池江璃花子氏はそんな器量の小さい人物ではないと思う。こんな小さな失言問題で怒るような人物なら、「神様は乗り越えられない試練は与えない」というような立派な台詞を言えるわけがない。

 ここは外野は騒がずに、そっと池江璃花子氏を見守るのが大人の対応というものだろう。
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