3度目の米朝首脳会談がタイムリミット
■平和的提案を反故にしてしまった少年
山賊の貧しい少年が大都会の大富豪の邸宅に招待され、その圧倒的な生活水準の違いに魅せられ目をキラキラと輝かせるかのような温和な雰囲気を醸し出していた前回の米朝首脳会談とは打って変わり、今回の米朝首脳会談は、交渉決裂となってしまった。
優しい大富豪からの平和的提案を快諾せずに、山賊としての我欲を通そうとする少年の姿に呆れてしまったというところだろうか。山賊としての武器を全て捨てる覚悟を見せれば、無条件に富を分け与えてあげようとする平和的提案を反故にしてしまった少年の行為は愚かとしか言い様がない。
米朝首脳会談が成功する、たった1つの条件は、
「完全武装解除」=「完全制裁解除」
初めから、これしかない。
「一部武装解除」=「完全制裁解除」
というような都合の良い展開は有り得ない。
「完全に武装解除してくれれば、あなた方が現代社会で生きるための最大限の協力を惜しみません。共に発展しましょう。」というのが大富豪からの提案だった。しかし、山賊少年は、「一部の武装解除をするので、制裁を全て解除してくれ。」と言ってきた。これでは、愛想を尽かされても仕方がないと言える。
■トランプ流の「お前はクビだ!」になる可能性
「正恩もおだてりゃ非核化する」というトランプ大統領の思惑はどうやら上手くいかなかったようだ。
北朝鮮の完全非核化などは、普通に考えても、金正恩が国を捨てて亡命でもしない限りできないわけで、アメリカ側がその手助けをするというような密約でも交わさない限り、土台無理な話なのかもしれない。会談では、そういう密約も含まれていたのかもしれないが、将軍の立場を捨てて、1民間人として生きていくというのは、どう考えても無理がある。
これまでに多くの人々を無慈悲に処刑してきた独裁者が、誰からも非難されずに生きていくというのは虫が良過ぎるわけで、結局は、独裁者として生きていくしか道がないということなのかもしれない。
3度目の米朝首脳会談が有るかどうかは分からないが、今回の交渉が決裂したことの失敗をビジネスライクで謙虚に受け止め、相手方に誠意を見せないことには先が無いということ、それだけ自らが追い込まれた状態にあることを知らねば、トランプ流の「お前はクビだ!」になってしまう可能性が出てきた。
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